2006年06月24日

6/11 「くぐもる害意」

別役実さんといえば、演劇好きの人には重要な人らしい。
フタバは、舞台関係は、文楽と歌舞伎しかわからないので、別役さんの芝居もみたことないんですけど、芝居好きの友人が、尊敬しているようです。

日曜日の最終面は「文化」面ということになっていて「文化人」とよばれるような人たちが執筆した記事がのる。
そういう記事をきりはりで引用するのも少々気がひけますが、まあ。

【外国から帰ってきて成田に着くと、何がなしほっとする。ことさら緊張していたつもりもないのだが、皮膚のあたりがふとなごみ、「ああ、それとなく気を張っていたんだな」と、気付かされるのである。そして、首にまわして掛けていたショルダー・バッグを、片肩に掛け直したりするのだ。しかし最近は、成田から都心に向うに当って、「いやいや、日本だって必ずしも治安のいい国とは言えなくなったんだ」と、改めて思い直さなければいけなくなった。】

あーあ、別役さんもか。と、思ってしまいました。

以前のエントリーを参照していただきたいが、フタバとしては、近年日本安全神話はくずれてきている、という説はまゆつばものかもしれない、という気がしてきている。

タイトルの「くぐもる害意」とは。

【しかし、「不特定の何者かに対する、くぐもった害意」が、「それなりの理由に基づく、特定の誰かに対する害意」にとって変わって発生せざるを得なくなった理由は、何となくわかるような気もする。極く感覚的に言えば、人をそのようにそそのかす或る「うっとうしさ」が我々を取りまき、それが次第に重くなってゆく感じが、否定出来ないからである。】

別役さんは、日本の安全神話は【どこか奥深いところで崩壊しつつあるような気がしてならない】とはいっているが、日常的に、危険を感じているわけではないらしい。
奥深いところで、というのは、【そこここで発生する、特に幼い子供たちへの被害のことを考えると】ということらしい。

別役さんなりの結論とおぼしきものは。

【どうして幼児なのかというとことは、もっとも弱く、害意を向けやすいからというのが一般的な考え方であるが、私は逆に、もっともあどけなく、害意を向け難いから、と考える。つまり、「なけなしの害意」を、そのようにして駆き立てようとしたのであろう。
 奇妙な現象には違いないが、人々の害意をないものとする風潮が強く、圧倒的であればあるほど、このような反動が起るもののような気がする。】

害意ね。

フタバにつかいやすい言葉として「悪意」におきかえて考えてみる。

性善説と性悪説というのがあるけど、フタバは、性善説。
それはどういうことかというと、人間には悪意もある、けど、それを発現させないよう努力する・意識する、ことができる(場合もある)、と言う点で、性善説。

防犯地図をつくったりするのがはやっているそうだけど、くらがりができないように公園の木を切ってしまったりすることも行われているようだけど、どんなことしたって、悪いことをしようと思えばすることはできると思う。

悪意を発現させないよう、公園の木を伐るという努力をしてるんじゃないか、といわれるかもしれないけど。
でも、「公園の木」は人々が憩うためとか、日陰をつくるためとか、そういう目的で植えているのであって、じゃあ、公共の場で、安全に憩う場をつくる、というのも社会には必要であって、それはどうするの?
という以前に、
木の茂り方がものすごく鬱蒼としていて昼でもこわいくらい、ならば、間引けばいいけど。
んー、うまくいえないけど、程度問題、なんじゃないでしょうか。

別役さんは、自殺者についても気にしている。
自殺者についてのところはよくわからなかった。
でも、【人は誰しも、日常的に大なり小なり害意を抱く。それが発揮されて解消させられるのではなく、それ以前に封じ込められるということになると、勢いくぐもったものになりかねない】ということなので、そのくぐもった害意が、自分の中で閉じ込められた結果、自殺する、という意味かな。
あくまでフタバの解釈ですが。

話があっちこっちいきますが、
ことわっておくと、
別役さんは、別に、「日本の安全神話」をてばなしで評価しているわけではない。
【もしかしたら「日本の安全神話」というのは、少しばかり走りすぎ、「吠える犬は、噛まない」法則を、「吠えない犬」にまで追いこみ、逆に「噛む」ことにさせてしまったのかもしれない。つまり、「吠えない犬は、もっと噛まない」と思いこんでしまったというわけだ。】
これはなかなか、するどい指摘ですね。
犬は必要に応じて噛むものです。噛んでもいい、場合ものこしておかないと、犬が犬でなくなる。

だからといって、やたらと悪ぶる人ってのも、まあ、どうかと思います。

あと、【うっとうしさ】がなんなのか、もっと読みたかったです。
posted by フタバ at 11:40 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 少子化・こども
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