2009年02月16日

詳報を待ちつつ。村上春樹の受賞スピーチ

受賞スピーチの全文、というのはまだ発見できてないので、とりあえずフツウの新聞関係ネット記事より。

毎日jp
村上春樹さん:ガザ攻撃を批判 イスラエル文学賞受賞演説で
 ◇「死者の多くは子供やお年寄りだった」

村上さんは、英語で演説し、ガザ攻撃について「1000人以上が死亡し、その多くは非武装の子供やお年寄りだった」と言及し、事実上イスラエル軍の過剰攻撃を批判した。日本国内で受賞拒否を求める声が上がったと説明するとともに、「私は、沈黙するのではなく(現地に来て)話すことを選んだ」と述べた。

 そのうえで村上さんは、人間を殻のもろい「卵」に例える一方、イスラエル軍の戦車や白リン弾、イスラム原理主義組織ハマスのロケット弾など双方の武器や、それらを使う体制を「壁」と表現。「私たちは皆、壁に直面した卵だ。しかし、壁は私たちが作り出したのであり、制御しなければならない」と述べて命の尊さを訴えた。

ふつうに考えて、「  」内についてはほぼその通りに発言したのだろう。「卵」と「壁」も各紙でとりあげているのでその言葉を使ったろう。
この記事の【そのうえで】以降について、実際の言葉にあたりたい。



・・と思ったら、中国新聞(日本の中国地方の新聞)で、言葉通りではないが(スピーチは英語だし)要旨がまとめられている。
2月16日10時6分更新
村上春樹さんの講演要旨 

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 【エルサレム16日共同】作家の村上春樹さんが15日行った「エルサレム賞」授賞式の記念講演の要旨は次の通り。

 一、イスラエルの(パレスチナ自治区)ガザ攻撃では多くの非武装市民を含む1000人以上が命を落とした。受賞に来ることで、圧倒的な軍事力を使う政策を支持する印象を与えかねないと思ったが、欠席して何も言わないより話すことを選んだ。

 一、わたしが小説を書くとき常に心に留めているのは、高くて固い壁と、それにぶつかって壊れる卵のことだ。どちらが正しいか歴史が決めるにしても、わたしは常に卵の側に立つ。壁の側に立つ小説家に何の価値があるだろうか。

 一、高い壁とは戦車だったりロケット弾、白リン弾だったりする。卵は非武装の民間人で、押しつぶされ、撃たれる。

 一、さらに深い意味がある。わたしたち一人一人は卵であり、壊れやすい殻に入った独自の精神を持ち、壁に直面している。壁の名前は、制度である。制度はわたしたちを守るはずのものだが、時に自己増殖してわたしたちを殺し、わたしたちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させる。

 一、壁はあまりに高く、強大に見えてわたしたちは希望を失いがちだ。しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。

(初版:2月16日10時6分)

すばらしい。
取材は共同通信なのかもしれないが、これをアップさせることにしたのは中国新聞社さんですから。
内容について。


一、イスラエルの(パレスチナ自治区)ガザ攻撃では多くの非武装市民を含む1000人以上が命を落とした。受賞に来ることで、圧倒的な軍事力を使う政策を支持する印象を与えかねないと思ったが、欠席して何も言わないより話すことを選んだ。

最初のこれは、よくぞ言ってくれた、だと思う。

一、高い壁とは戦車だったりロケット弾、白リン弾だったりする。卵は非武装の民間人で、押しつぶされ、撃たれる。

ここは、本当に原文にあたりたい気持ちになる内容だ。
「ロケット弾」はパレスチナ側が使ったもの、なわけだから。「非武装の民間人」もそう。「武装しているおそれのある過激派幹部」は卵じゃないのね。
まあそれは、そのつもりでそういっているのかもしれないけど。
単にホストへ気を遣ったのか、「どっちもどっち」って思っているのか。

一、壁はあまりに高く、強大に見えてわたしたちは希望を失いがちだ。しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。

わーさすが作家・・て感じの言い回しですね。
少なくとも彼なりの解釈を、ひとつちゃんと述べた、のではないでしょうか。

私は、もとから、ボイコットではなく、出かけていって気の利いたことを言ってもらいたい、と思っていた。
いや気が利いているかどうかはともかく、出かけていってしっかりしゃべること。
行くことを迷ったこと、その迷った理由、を共に話したこともよかったと思う。


***

ともあれ、詳細内容が出たら、また書く・・かもしれません。
とりあえず、ただボイコットするよりよかったんではないかと思う。



posted by フタバ at 21:07 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法
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