2009年02月15日

すわり読み

ジュンク堂という本屋で、立ち読みならぬすわり読みで、「文藝春秋」3月特別号の記事を読んできた。
雑誌コーナーの向かい側に、椅子が5つ並んでいたので、利用させていただきました。

読みたかったのは、

●財界一の論客VS「反貧困」著者
「派遣切り」企業だけが悪いのか 丹羽宇一郎/湯浅 誠


という記事。

そういう事情なので手元に雑誌がなく、記憶で書きますので悪しからず。

対談相手の丹羽宇一郎氏という人は伊藤忠の人。
この人は、現在の雇用問題については、企業もそれなりに役割を果たすべきだ、というようなことをおっしゃる。

また、「一時的に中高所得者(※ 高所得者だったかも。これについては後記)の税率を上げ、低所得者の税率を下げる、ということも検討すべきだと思います」などともいっていて、湯浅誠氏も
「それはノーブレス・オブリージュのような発想ですね」と返している。

しかし・・やっぱり最後には自己責任話に終わってしまった。

「自立の精神がなくてはいけない。いざとなったら国が助けてくれるという発想はよくない」
「非正規労働者の中には、あえて正社員を希望しない人もいる。自由な時間で働きたいとか、扶養控除にとどまりたいとか」

結局それか。

よくきく、「莫大な内部留保金」について。
そういうものがある、ということがわかったから、「それは使えないのか?」となんども湯浅氏は言っていて、この対談でも言っている。
丹羽氏がここでなんと答えたか忘れたが、過去のいろんな場で、「そんなことしたら今後、景気がさらに悪くなったとき企業がたちゆかなくなる」という反論しか未だきいたことがない。
2008年の後半の段階で、派遣切りがどんどん行われていく状況を横にしつつ湯浅がそう発言したときには、「少なくとも、この年末まで、なんとかする、その内部留保金とやらを利用する、という提案をしているのだがどうなのか?」という意味で言った、と解釈してもよかったと思う。そうとらえて、「この年末(2008年末)」だけどうにかする、というような対応が、どこからもなかった。
というのは、つまり、「眼の前のことに具体的に反応する」ということができなかった、ということだったと思う。

丹羽氏の、税率を所得によって変える、という案は賛成である。
でも、どこから上を変えるのか?
もしこの案が採用されたら、おそらく、「中所得者」以上になるのではないかと思う。そして苦しむのは「中」であって「高」は、「あれちょっとだけ値上げした?まあでもたいしたことは・・」で終わるような気がする。
・・・・でも、なぜ私はそう思うのか?政府を信用していないのか?
→ええしていません。
でもなぜそういうことになった(と思う)のか、それがわからない。

今後、湯浅氏も参加している「反貧困ネットワーク」のような立場から、つまり、現場にいる立場からの発言に対し、どう答えていくのか、が非常に重要だと思う。
この対談も、結局、新しい答えは出ていないに等しい。現状の説明をするだけでせいいっぱいであり、それとて、上記のような受け答えをみていると通じているのかわからない気がする。

どうしてそうなるのか。
の一つの答えが、この対談記事のタイトルのつけ方にもある。
「企業だけが悪いのか」
企業だけが悪い、とはすくなくとも湯浅氏は言っていないはず。
わかりやすく、眼をひくように。それが雑誌を「売る」ためには必要なのだというのかもしれないけど、単純に、人の言ってることをきいてなさすぎで、ほとんどhorse&deerであると思う。
そういうことを続けているうちに、気がついたら新自由主義のおかげで、非正規労働者が全労働者のうちの38%(だったと思う。とにかく30%以上)というような異常な事態になってしまったわけだ。

ところで、ういきぺディアで丹羽氏の項を見たらこんなことが書いてあった。

名古屋大学時代は自治会会長として60年安保闘争の学生運動の先頭に立った。

 (・・・・)

『「清く、正しく、美しく」の精神で仕事をしている』と語る。 昼食は、子会社であるファミリーマートや吉野家の弁当を自ら購入している。 出勤には、運転手つきの自動車などを使用せず、社員の目線に立つため電車を使用している。


まあ、マジメな人なのかもね。
でも、

日本共産党のしんぶん赤旗が、2006年1月25日付けの記事で、1月18日の第1回経済財政諮問会議中の丹羽の発言を報じた。その記事は

「若い人でも、残業代は要らないから仕事をもっと早くスキルを身につけてやりたい、土日でも残業代は要らないから出社したいという人がたくさんいる。しかし、経営者がしてもらっては困ると言っている。なぜなら出社されると残業代を全部払わなければいけない。 家で仕事をするよりも、会社に来て色々な資料もあるし、これで自分が人よりも早く仕事を覚えて仕事をしたいんだと。それを今は仕事をするなと言っている。ホワイトカラーエグゼンプションの制度がないからだ。」
という発言から作成されたものである


えー!!
その若い人っていう人たちがおかしいですよ絶対。残業代はいらないから、っていうのは、勢いで言ってるに決まってるじゃないですか。
それに、そうこうしてるうち、体でもこわしたら絶対、残業代もくれずに働かされた・・と思うにきまってますよ。
大昔の住み込み徒弟制度みたいな発想ですね、これ。

とはいえ一応、
しかし同じ会議中で「最低賃金の引き上げによる格差是正」や、「セーフティーネットの整備」も提言している

という記述もあったので引用しておきます。


マスコミは、ほんとうに自分の都合のいいようにしかものごとを取り上げない。何があっても、ただの「ネタ」扱い。
だから、フクザツなことは書かないし、ムズカシイことも書かないし、そうやっているうちに、ほんとうに、貧困問題にしてもガザ虐殺にしても、理解できなくなっているのだと思う。マスコミ人自身。
高学歴で入社したんだろうに、みずからそんなにホース&ディアになってどうするんだろう。
posted by フタバ at 01:31 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法

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